大津波から我が国を守る

Project Leader:M2 村瀬      Sub: B4 蒲生


 世界的に甚大な被害をもたらす津波災害は過去幾多にわたって発生しています.主要都市が海岸沿いにある我が国において,津波対策は非常に重要であり,万全かつ効率のよい対策が必要です.

 過去に発生した津波被告報告では、構造物に作用した津波力の影響が重要視されていましたが,北海道南西地震(1993年)で発生した津波の被害報告を筆頭に,捨石マウンドや海底地盤の崩壊が防波堤被害をもたらす一要因であり,変形のメカニズム解明が急務であると考えられるようになりました.しかし,現在では,津波~地盤~構造物の相互作用を検討する実験装置,ならびに解析手法がありません.そこで,実験装置の開発解析手法の確立東洋建設㈱ 鳴尾研究所と共同研究で行っています.



      左:水平流体を作用させる実験,右:鉛直にジェット流を作用させる実験
      左:水平流体を作用させる実験,右:鉛直にジェット流を作用させる実験

 防波堤を越流した水塊による洗掘現象についても研究を行っています.洗掘現象については,これまでに河川・海岸工学分野において研究が進められており,掃流力による検討が一般的です.しかし,近年の研究では津波のような高速で作用する流体力の影響は,地盤表層のみではなく地盤内部に応力変化を生じさせ,洗掘を助長させる影響が指摘されています.

 

 左の写真は水平流体を堆積地盤へ作用させている様子です.堆積地盤に開水路流れを作用させることで,従来より考察されてきた掃流力の知見に加えて,新たに地盤内部の応力変化に着目した研究を行っています.

 また,右の写真は地盤へ鉛直にジェット流を作用させている様子です.越流による落下水塊を模擬し,外力条件を単純化することで初期の衝撃的載荷水塊の継続作用による洗掘現象について研究を行っています.


過去投稿論文