地中熱の最適な運用条件を探るために

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     図1 年間の地温変動
     図1 年間の地温変動

 浅地盤では深度が大きくなるにつれ外気の影響が小さくなり地温がその土地の年平均気温に近づくという特徴があります.その安定した地温を地表との温度差で利用する技術が地中熱利用です.

 

 具体的な例を挙げると日本で主流な利用方法である地中熱ヒートポンプがあります.これは私たちの生活に身近にあるエアコンなどの空調設備に利用されているヒートポンプ技術を従来の空気熱源型から地盤熱源型としたものです.地盤を熱源にすることで大幅な省エネ効果やCO2削減,都市部ではヒートアイランド現象の緩和が期待されています.

 


図2 水分流れと熱移動の連成解析および管内の熱流体解析
図2 水分流れと熱移動の連成解析および管内の熱流体解析

 

 

しかし,地中熱ヒートポンプの長期利用を想定した場合に地下水,地質,気候条件などが熱効率に与える影響や地盤環境への変化は未解明な部分が多いというのが現状です.

 

そこで本研究では地中熱ヒートポンプを導入した地盤を想定し,水分流れと熱移動の連成解析及び熱交換器内の熱流体解析行うことで最適な利用環境や利用方法の選定支援をすることを目標に取り組んでいます.