近年,全国各地で地盤の陥没災害が発生しています.この現象は,護岸の背後地盤やライフライン周辺地盤といった場所に多く,都市部では主に下水管の劣化による土の流出が原因で発生しています.
陥没災害は突然発生するという恐ろしい面も持っており,多数の人的・物的被害,交通ネットワークの遮断が起きる恐れがあるため,陥没の危険度に応じた予防保全型維持管理の構築が求められています.
そこで,本研究室では空洞発生から陥没に至るまでのメカニズムを解明するため,模型実験と数値解析を通してアプローチしています.
下図は今年度実施している模型実験の一部を示しています.空洞進展再現実験では,地下水や降雨によって土が流出し,空洞が発生・進展する様子を観察しています.また,交通荷重を想定した実験では,空洞上に荷重が繰り返しかかることで,土が疲労して陥没が発生する現象を調べています.