我が国では,気象変動による集中豪雨の増加や地震の頻発によって,落石の発生件数・規模は増大する傾向にあります.既存の対策工の老朽化も進み,落石による被災事例が数多く報告されています.
そこで本研究では,土による落石運動エネルギーの減衰効果や衝撃力の緩衝効果に着目し,土を用いた落石対策インフラの長寿命化に向けた検討を行っています(図-1).
土木研究所寒地土木研究所との共同研究による大型・実物大衝撃実験や,構研エンジニアリングと共同で現地調査や実断面落石シミュレーションの高度化に向けた検討を進めています.
特に,本研究室では個別要素法(DEM)解析による検討に力を入れています.実験結果との比較によりDEM解析の妥当性を確認した上で,実験では見えない土の内部の挙動を可視化するなどして,落石と土の衝撃問題にかかわる様々な問題について検討しています.